子どもが嗤う橋下府政? 児童文学館と府立図書館の合併って、つまりたとえば!?・・・

2008年6月5日知事定例会見 質疑応答


《記者》文学館については。

〈知事〉文学館も、図書はちゃんと中央図書館に移転をして、府民への児童文学の提供はきちんとやります。あとは、文学館がやっている研究というものが広く880万人府民に対する必要な施策なのか、それとも、特定の人たちに対してだけの施策なのか、そこは最終的には政治判断としか言いようがないんですけれども、いろいろな声を聞かせてもらったところ、これは今回は、その研究機能等については府がやらなくても、いわゆる大学でやるような研究でもいいんじゃないかというふうに僕は判断しました。

「ちゃんと中央図書館に移転」・・・
大阪府立国際児童文学館の存続を求めるパブリックコメント(草稿) - 宮本大人のミヤモメモ

児童文学館は、一般の図書館とは異なる、発行年月日に即した独自の資料の分類法を採用しているだけでなく、資料の内容だけでなく形態をも重視する文学館ならではの資料観に基づいて、カバーや帯もそのまま保存する保存方法をも採用しています。したがって、資料を中央図書館に移管する場合、中央図書館の分類法に即した資料整理の全面的なやり直しのために多大なコストがかかること、保存方法も図書館的なそれへ変更されることによって資料の損傷の危険性が高まること、が予想されます。財団と現在の施設を廃止し、資料だけは移管によって現状を維持、という「財政再建プログラム(案)」の考える方針は、実際には実現に多大なコストとリスクを伴うものだと言えます。
(3)資料の移転先とされている中央図書館の現在の収容能力、移管に伴う書庫改修費等のコストが明らかにされていないこと。また、4月に出された「財政再建プログラム試案資料(公の施設)」の「大阪府立中央図書館」で「見直しをした場合の課題」として挙げられていた、「必要資料、機能の精査を行い、蔵書の整理での対応を検討する必要」について、その後どのような見通しができているのか、不明であること。
 
 中央図書館に限らず、児童文学館についても、財団についても、4月の「試案」の資料にはあった「見直しをした場合の課題」の欄がなくなっているため、今回の「財政再建プログラム案」を実施した場合の課題、不安要素が不明になっています。
 
 先に触れた教育委員会による「考え方」では、児童文学館の資料の受入には書庫改修費3億円が必要との試算が示されており、それ以外にも資料移転運搬費、検索システム統合費、図書装備費等の「膨大な追加費用も発生」とされています。これら、資料のみ移転ということになった場合にも発生しうる多額のコストと、資料の「整理」(これは「処分」を意味するものでしょう)の可能性について、今回の「財政再建プログラム案」では一切触れられていません。
 
 これでは、現在の資料70万点が、状態はともかく中央図書館にまとまって保管され続けることは確か、ということさえ保証されるのかどうか、危ぶまれます。特に我々マンガ研究者としては、府立図書館の選書基準に照らして、マンガ関連の資料が「整理」の対象となるのではないかという強い危惧を抱いています。
 
 また、今明らかにされている限りの情報では、果たして資料の中央図書館への移転が、移転に伴う費用と差し引きした結果、どの程度の経費削減になるのかも不明ですから、なぜそのような不透明な状態で、21年度中に廃止という性急な結論を出そうとするのかが理解できません。
児童文学館と府立図書館の合併って、つまりたとえば・・・
 
財政の苦しくなった動物園が、敷地を売却して運営資金を調達したので手狭になってしまい、やむなく

シロクマとペンギンをいっしょのオリにいれちゃった!

・・・ということですね、わかります!(ちがーう?(^_^メ))

財政の苦しい大阪府のこと、現状維持というのは困難かもしれない。
しかし、資料の散逸・書庫のキャパシティーの問題から考えれば、図書館との統合というのは「残し方」として最悪ではないか。

リンク集
「大阪府立国際児童文学館廃止に反対するパブリックコメント」について

大阪府立国際児童文学館の存続を求めるパブリックコメント(送信分) - 宮本大人のミヤモメモ

パブリックコメント送信 - 帰ってきたハナログ

いち映画研究者から見た大阪国際児童文学館 - 帰ってきたハナログ

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