平野屋新田会所の解体・゜・(ノД`)・゜・そのいち

asahi.com:“重文級”平野屋新田会所が解体の危機 大阪・大東市 - 関西
asahi.com:“重文級”建物の解体作業開始、住民の抗議で中断 大阪 - 関西


平野屋新田会所:所有者、解体工事へ 大東市の買い取り交渉決裂 /大阪(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
 大和川の付け替え工事(18世紀初頭)に伴って開発された新田の管理・運営の拠点跡「平野屋新田会所」(大東市平野屋1)について、所有者である奈良市の不動産業者と同市の交渉が16日、同市民会館であった。市側は買い取りを希望したが、金額面で折り合いがつかず交渉は決裂。業者は宅地開発を計画しており、解体工事を進めるとしている。
 同会所には、江戸時代中期ごろの建築物群に加え、一帯には物資運搬や灌漑(かんがい)の水路といった周辺設備が残っている。保存状態がよく、貴重な地域の遺産という。
 しかし、所有者の負債で大阪地裁が競売。この業者が昨年、約5億2000万円で落札した。住民や市議会の意向を受けた買い取り交渉は不調に終わり、業者は15日、土塀の一部撤去に着手。住民らが反発し、業者は撤去作業を一時中断していた。
 現在、中国の北京や上海で、開発のために下町や旧租界の古い町並みがどんどん壊されている、と言うニュースをよく耳にすることが多いのだが、そのたびに「あほなことするな〜、いまに後悔するよ〜」と思っていた。また、大阪の中心部で、戦前に建てられたビルが壊されるときいたときには、「残念だが、文化財的価値がまだ確立していないのかな〜」と考えたものだ。
 最近は、文化財の概念も拡大してきている。美術的・文化的側面から貴重な遺物・遺構から、現在は近世・近代の産業遺産へも光があてられている。
 しかし、今回解体された平野屋新田会所は、江戸期の社会構造を理解するうえで重要な「新田開発」に関する遺構が、セットで保存されていた。それだけでなく、周辺の景観も含めて文化的価値が考慮されるべき遺産だった。競売・解体という文化財の危機に関してどのような対策がとりうるのか、今回のケースを教訓にして考えるべきことは多いだろう。

ご意見
凡才中村教授の憂鬱 | 観光振興だと言うけれど・・・平野屋新田会所の解体問題に思う

 いずれの国でも都市の開発あるいは再開発と、歴史的な町並みあるいは建造物との協調は大きな課題となっている。しかし、例えば観光振興ということから考えてみると、歴史的な町並みや建造物を次々破壊して、新たなものを建設していくことは、資源を失っていくことを意味しないだろうか。
(中略)
 北ヤードの開発だとか、南港の開発だとか、彩都への企業誘致とか、決して全てを反対するわけではないが、「効率性優先の新規開発だけ」が、首都圏との競争に勝ち抜く術だという考え方だけで来たことが、今までの失敗だったのではないのだろうか。
 
 関西、あるいは大阪ならではという街の歴史、景観、文化と言ったものをきちんと考えて、評価して、残すべきものは、資金を投じてでも残していく、そういった考えをもっと大切にすることが、長期的には大阪経済の再興に繋がるのではないかと考えている。
Space Design | 建物の命を想う−平野屋新田会所(大東市)危うし
 200年以上も経た建物、しかも新田開発と言う歴史上重要な役割を果たした建物には、建てた人、そこで働いた人の仕事や生活の跡があり、命が宿っていると思う。「もう2度と建てられない建築物を壊さないでほしい」という反対運動を押し切って、環境&文化の破壊をしてでも宅地を安く仕入れたい、そんな気持ちで良い建物や町並みが建設できるんだろうか。いきさつが広く知られたら、落札価格に上乗せして買い取ろうと言う市側の申し出を断るような会社の建てた住宅を、購入する人があるんだろうか。時が経てば知らずに購入する人もあるかもしれないが、破壊する作業者も、次に建設する人も、購入者も不幸だなあ。まだまだ心の貧しい国なんだなーとつくずく思う。
これまでの経緯については、こちらがくわしい。

平野屋会所の保存について

平野屋新田会所はどうなる? 万華鏡 〜無音の爆走〜/ウェブリブログ

前所有者が借金を作ってしまった!というのが実情のようです。
民法的な手続きに入る物件になっていたということです。それに至るまでに買収すべきだったのでは。でも市は金額がつかめず予算化もできなかったのでしょう。競売にかかると文部科学省?も指定に躊躇していたんだ
と思います。今回の件は関係者によい経験になったと思います。(代償
は大きかった!)私は会社で不動産を担当していた時期がありますが、
ふつうの会社はまず手を出しません。それに昨今ですからCSR、株
主説明にも問題があります。それは融資した金融機関にも言えることで
す。さらに不動産鑑定士にもいえます。

とおりすがり
2008/01/18 22:59

写真
Takeshi Masuda PhotoGaphyさん
平野屋新田会所の解体が始まった。1月17日
平野屋新田会所の解体が続いている。1月18日
平野屋新田会所最後の解体。1月19日
平野屋新田会所やっぱり気になる。1月22日
緑・文化・歴史・育むまち - 楽天ブログさん
平野屋新田会所を守れ! - 緑・文化・歴史・育むまち - 楽天ブログ(Blog)


その他
平野屋新田会所を考える
平野屋新田会所 - にっしーのズイコー日記 - Yahoo!ブログ
 平野屋新田会所を公有化し国史跡に!