「隣組」復活懸念について

にわかに現実味を帯びてきた「隣組」復活について過去のエントリなどから、
補足[教育基本法] - 善哉新報(休刊中)
でとりあげた
http://www.kinyobi.co.jp/pages/vol621/antena
から

教基法制定時の国会答弁

文科省課長が“摘み食い”

 日本PTA全国協議会(日P)が、8月26日に宮崎市で開催した全国研究大会のシンポジウム「教育基本法改正とこれからの教育」で、文部科学省の大槻達也・生涯学習政策局政策課長が、現行教育基本法を制定した1947年当時の国会での政府答弁を摘み食いし、「国を愛する態度」の盛り込みを正当化した。

 大槻課長を含む4人のパネリストは冒頭、保護者の関心の高い家庭教育やニート対策と絡め、巧妙に教育基本法改悪を宣伝した。

 大槻課長は1947年3月19日の貴族院本会議で、「良い日本人を作ること、祖国観念の涵養の重視」を説く議員に、当時の政府は「『人格の完成』等の現行教育基本法の条文の中に、その思いを入れた」と、答弁している旨、発言した。

 確かに貴族院本会議で、当時の高橋誠一郎文相は「人間は単に個人たるにとどまらず、国家及び社会の成員であり、形成者でなければならない」と述べている。

 しかし、高橋文相はその発言の前に「まず人間は人間」と述べ、「個人の尊厳」の大切さを強調している。また、「祖国愛の精神の涵養」に触れる際は、その前に「健全なる」という語を冠した上で「文化の創造」と並立させ、偏狭なナショナリズムとは一線を画している。

 大槻課長はこの点に言及せず、「私は外交官としてタイで勤務したことがあるが、東南アジアのほとんどの国では愛国心の規定があり、午後5時には国歌が流れる。映画の上映前には、国王の映像が流れ、起立して国歌を聴く。米国でも州ごとに愛国心や国旗への誓いを盛り込んでいる。国際化が進む折、こういった考え方を子どもたちに身に付けさせる必要がある」と、持論をまくし立てた。

(永野厚男・教育ライター)


(強調引用者)

またhttp://wwwsoc.nii.ac.jp/jssace/appeal0909.htmlのなかのこの部分

5 改正案第十条(家庭教育)、第十三条(学校、家庭及び地域住民の相互の連携協力)の新設について
 家庭教育、父母・住民の学校運営への参加や協力は、現行第七条(社会教育)の範疇に位置づけられ、近年、子育てネットワークや教育ボランティア活動などをつうじて活発にとりくまれている領域です。子育てを個々の家庭内部の営みにとどめず、地域社会で父母・住民が共同でおこなう活動や相互の学びあいの奨励、家庭の子育て困難への支援や父母・住民と学校との協力の促進などが社会教育活動として推進されています。
 しかし、改正案で新設されている第十条(家庭教育)では、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」という文言で、国が父母・保護者に対して法的に「努力義務」を課しています。
 同様に、第十三条(学校、家庭及び地域住民の相互の連携協力)でも「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする」として、「努力義務」を課しています。
 この二つの条文は、従来、個々の家庭や父母・保護者の考え方の自由をふまえたうえで、社会教育をつうじて社会的活動を促進・支援するという原理を転換させ、国が直接保護者にたいして自己責任にもとづく努力義務を強制し、しかもその方向を第二条(教育目標)によって国家的に方向付けるという新たな社会的統制をもたらすことになると考えます
 今回の教育基本法改正については、特に愛国心をめぐって内心の自由の保障に反するということが重要な論点として指摘されています。社会教育は、すでに述べてきたように、内心の自由にそくした自発的な営みによって成り立っている領域であり、国・自治体は、あくまでもそれを奨励する責任があると規定されています。第十条、第十三条の新設は、こうした社会教育の基本原理について根本的な転換をもたらし、国家統制的な体制づくりをつうじて、社会教育の自由で民主的な発展を妨げることになるといえます。
 また、DVや引きこもり、家庭崩壊などの社会的困難が増大している状況にたいして、あるべき規範にそった狭い視野から家庭教育を強調している改正案は、問題を個人責任にゆだね、現状への有効な支援方策を遅らせることになると危惧します。


(強調引用者)

教育基本法「改正」情報センターの第164国会 衆院教基法特別委員会データベース2240関係者の範囲のページから

164国会 衆特別委 第12回(6月8日)

○保坂(展)委員 では、小坂大臣、ちょっと簡潔にお願いしたいんですが、十三条の中に、「学校、家庭及び地域住民その他の関係者」。「その他の関係者」というのはだれを指すのか、具体的なイメージを列挙していただきたいと思います。



○馳副大臣 当該地域に居住する人々のほかに、当該地域にある企業やNPO、関係行政機関、これは児童相談所や警察などになりますが、その当該地域における関係するあらゆるものを指すものであるというふうにとらえていただいて結構です。