国民投票法案衆院通過・・・

http://www.asahi.com/politics/update/0413/TKY200704130227.html

憲法改正の手続きを定める国民投票法案の与党修正案は13日午後の衆院本会議で、起立採決により自民、公明両党の賛成多数で可決された。民主、共産、社民の3党は反対し、国民新党は棄権した。同法案は参院に送付され、16日から審議に入る見通し。与党は憲法記念日である5月3日までの成立をめざし、連日の審議も辞さない構え。野党側の抵抗は必至だが、今国会での成立は確実だ。

 憲法96条は、改憲の要件として、衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成に加え、国民投票過半数が賛成すること、と定めている。国民投票法案はその具体的な手続きを定めたものだ。

 与党修正案は、(1)国民投票のテーマを憲法改正に限定(2)投票年齢は原則18歳以上だが、民法公選法などが改正されるまではそれに合わせて20歳以上に据え置く(3)国家公務員法などによる公務員への「政治的行為の制限」を原則適用(4)公務員と教育者の「地位を利用」した運動を禁止(5)公布から3年後に施行(6)衆参両院に設置される憲法審査会は3年間、改憲案の審査・提出は行わない――などが柱。

 民主党の修正案は12日の衆院憲法調査特別委員会で否決されたが、同党は13日の衆院本会議に改めて修正案を提出。しかし、これも賛成は民主党だけで、否決された。共産、社民両党は与党修正案、民主党修正案にともに反対。国民新党は「両修正案とも審議が尽くされていない」として退席した。

 衆院本会議に先立ち、民主、社民、国民新の3党の国会対策委員長河野洋平議長に開会しないよう求めたが、河野氏は応じなかった。

 同法案をめぐっては、昨年5月に与党と民主党がそれぞれ独自の法案を衆院に提出。その後、自公民3党が共同修正案の提出を視野に調整してきたが、一本化できず、3月に与党が、今月10日には民主党が、それぞれ独自の修正案を提出した。

なんかあたまいたい・・・
1.最低投票率あるいは絶対得票率の定めがなく、有権者のごく少数の賛成で改正される可能性がある
2.公務員や教育者の運動制限がキツイ
3.投票15日以前は有料CMが流し放題=資金力で差が出る。
4.「広報協議会」が占有議席に比例する構成になるので、必然的に改憲賛成派が3分の2以上を占められる。
5.国会閉会中も改憲案を審議できる「憲法審査会」は、3年の「凍結期間」中も活動する。
自民党の修正案については、ヤメ蚊さんがその1その2その3その4その5その6にわたって転載・解説されています。
疑問点について少しだけ。
「公務員及び教育者の地位利用による国民投票運動の禁止」について(その4)。

(公務員及び教育者の地位利用による国民投票運動の禁止)

第百三条 国若しくは地方公共団体の公務員又は特定独立行政法人独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人をいう。第百十一条において同じ。)若しくは特定地方独立行政法人地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人をいう。第百十一条において同じ。)の役員若しくは職員又は公職選挙法第百三十六条の二第一項第二号に規定する公庫の役職員は、その地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便宜を利用して〈その地位を利用して〉、国民投票運動をすることができない。

2 教育者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する学校の長及び教員をいう。)は、学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して〈教育上の地位を利用して〉、国民投票運動をすることができない。

「教育上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用」するのは悪くて、「経営上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用」するのはいいのか?。昇進・昇給などの権限を握っているものがその地位を利用し、現に投票権を持っている部下に指示や示唆するのは、OKなのか?。
「教育上の地位」の解釈にも拡大の余地がある。例えば、同じ雑誌の「憲法改正特集」に、あるひとは「某私立大学教授」という肩書きで寄稿し、あるひとは「@@社社長・経済@@会会長」の肩書きで寄稿したら、前者だけにお咎めがある、ということも?・・・
こういうことも、きちんと徹底審議すべきである!

国民投票法与党併合修正案の強行採決に抗議いたします。